【用語解説:MTBFとMTTRとMTTF】システム運用する人ならおさえたい稼働率に関する用語!基本情報技術者試験に出る用語

2020/11/02

基本情報技術者試験対策

t f B! P L


こんにちは。


今回はMTBFとMTTRとMTTFの3つの紛らわしい用語をサクッと覚えてもらうための記事です。


こんな人。



「基本情報技術者試験の勉強してるんだけど、アルファベット数文字の略語がたくさん出てきて暗記がつらい・・・それにこのMTBFとMTTRとMTTF・・・紛らわしすぎるやろ」





わかります。


そのわかりづらい用語のボスといってもいいと思われる

MTBFとMTTRとMTTFのMT3兄弟(勝手に名付けてます)


はい、覚えられないー!


似たようなイニシャル並べやがってぇぇ…!




って思った人は多いはずです。


今回はこの3つが『とにかく違う意味もの』ということをわかってもらえるように解説していきます。

できるかぎり簡単な理解になるように頑張っています。


コツは後ろの2文字を見ることですね。


MTBF・MTTR・MTTF3つの用語の意味の解説

情報処理技術者試験で知らない用語が出てきたときの初期行動は直訳です!


勉強不足を棚に上げますが、基本的に、英語がわかれば解決するんです…

わりと中学生英語の語彙で足ります。


が、略称にされてる上に、そもそも英語が得意ではありませんでした…


ということで、略称を分解ののち、直訳していきます。


分解&直訳

MTBF

Mean Time Between Failureの略称です。

平均故障間隔です。


MTTR

Mean Time To Recoveryの略称です。

平均復旧時間です。


MTTF

Mean Time To Failureの略称です。

平均故障時間です。


これでわかりますね!

・・・とはなりません。


MT3兄弟が嫌いになりそうです。

さらに、MTBFだけ「To」が含まれないのがまたやらしいところです。


MTBF、MTTR、MTTFの日本語的意味の解説

さて、直訳しても「???」な状況になりましたので、直訳後の日本語をもうすこし詳しく解説します。


MTBF(Mean Time Between Failure)

平均故障間隔!


稼働しているシステムが故障する間隔の平均です。

ちなみに”間隔”なので故障→[この間]→故障の[この間]の部分の時間になります。


つまり、故障せずに稼働してる時間のことです。

言葉に故障って含まれているのに故障していない間のことを意味しているからややこしい!


算出方法は、稼働時間を故障した回数で割り算して算出します。


稼働時間 ÷ 故障回数


値が大きいほうが稼働しているサービスが故障する確率が低いという意味になります。

算出する際に複数回の故障を含めるため、平均となります。


機械もシステムも故障しないで稼働してたほうがうれしいですよね。


MTTR(Mean Time To Recovery)

平均復旧時間!


故障してから復旧するまでの時間の平均です。

正常に稼働してる間は関係ありません。


故障したら修理して使えるように直しますが、その修理している時間の平均です。

値が小さいほど、修理にかかる時間は短いという意味になります。


故障はしかたないから、せめて修理は早く終わってくれると嬉しいですね。


MTTF(Mean Time To Failure)

平均故障時間!


復旧することを前提としない故障になるまでの時間の平均です。


いわゆる平均的なその機械の寿命のことです。

(サービスに寿命は違和感があるので機械で考えたほうが自然にわかります)


修理することを前提としないところがMTBFと異なるポイントです。


MTBF、MTTRは稼働率を算出するために使われます




「この3つのMT3兄弟の意味を覚えてどうするんだ?」




ということになりますが、MTBFとMTTRは稼働率を算出するための変数になるので試験対策以外にも役に立ちます


稼働率 = MTBF  ÷  (MTBF + MTTR) という関係式が成立します。

平均故障間隔の数字が大きくて、平均復旧時間が短いほうが稼働率が高い(良い)ってことです。


私の場合は、導入したり構築したシステムの想定稼働率を出しておいて、一定期間を集計して上記数式に当てはめて算出した稼働率と比較して評価したりします。


もし、想定より稼働率が下回っている場合は、予防保守やログ調査などで故障が起こってしまう前に対応をしてMTBFを大きくするなどの改善措置を講じたりします。


余談ですが・・・

稼働率99%というのは実はITサービスにしてみるとあまりいい値ではありません。

多くのITサービスは1年あたりの稼働率をカタログに掲載します。


ということは、

60秒*60分*24時間*365日=31536000秒(8760時間)

の間の1%は停止することになりますので、87.6時間はサービスが停止することになります。


それを月当たりにすると、7.3時間サービスの停止となります。

タイミングが悪ければまるまる1日は故障中ということになります。

(更に悪い書き方をすれば、2ヶ月に1回14.6時間の故障・・・)


SLAを読んだりITサービスを運用するときに、そういう計算がぱぱっとできるためにも、MTBFとMTTRの意味は知っておいたほうがいいですね。

実務にも役に立ちます。


ちなみにMTTFは意味だけ覚えておけばOKです。


基本情報技術者試験では、システム運用やこの稼働率を算出することが多いため、基本的に復旧できる前提であることが多いです。

なので、MTTFが出題されたときは、意味を知っているかどうか問われると思っていればいいと思っています。


MTBFとMTTRを使った過去問題

平成23年秋期より

MTBFとMTTRに関する記述として,適切なものはどれか。

ア エラーログや命令トレースの機能によって, MTTRは長くなる。

イ 遠隔保守によって,システムのMTBFは短くなり, MTTRは長くなる。

ウ システムを構成する装置の種類が多いほど,システムのMTBFは長くなる。

エ 予防保守によって,システムのMTBFは長くなる。


正解は!


エ 予防保守によって,システムのMTBFは長くなる。ですね。


それぞれの選択肢について補足しておきます。

ア エラーログや命令トレースの機能によって, MTTRは長くなる。

→ エラーログや命令トレースの機能があれば、故障の原因特定が早くなるので修理時間の短縮に繋がります。

  よって、「MTTRは短るなる」なら正しいですね。


イ 遠隔保守によって,システムのMTBFは短くなり, MTTRは長くなる。

→ 遠隔保守ということは、故障している場所まで修理をする担当者が行かなくて済みます。

  つまり、移動時間分の修理時間が短くなります。よって「MTTRは短くなる」なら正しいですね。


ウ システムを構成する装置の種類が多いほど,システムのMTBFは長くなる。

→ 構成する装置の種類が増えるからMTBFを足し算するから長くなる・・・なんてことはありません。

  装置を連結すれば、1つの装置の故障で他の稼働中の装置も一緒に止まってしまう可能性が高くなります。

  よって、「MTBFは短くなる」なら正しいですね。


エ 予防保守によって,システムのMTBFは長くなる。

→ 装置には摩耗や経年劣化などによって故障する可能性があるものがあります。

  今は稼働に支障が出ていなくても、将来的に故障するモノということですね。

  それを故障する前に交換することで、故障する可能性を下げるので、MTBFは長くなります。

  

このブログを書いてる人

インドア派。 ビールが好き、からあげが好き、麻婆豆腐が好き。 ふざけたテイストで勉強する人を応援したい!まじめな情報がほしいときは本を読めばいいしね! っていう、真面目な性格をしたサラリーマン。

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